負の利子率に関する論考

Posted on 水曜日, 4 月 22nd, 2009 at 9:19 PM

前回に引き続きまたマンキューの記事を英訳してみました。今回は、「Observations on Negative Interest Rates」。

私の負の利子率に関する記事が普通のメールのボリュームより膨れちゃって、いつくかのポイントはかなり白熱してきたよ。全部に答える事は出来ないけど、色んな視点から考えた、私の気合いの入ったコメントをここに付け加えてみるよ。

1. もし r を実質利子率とするなら、今日の物価に対する明日の相対的な物価は、1/(1+r)となる。経済学でこの相対物価が1より小さくなると言う様な定理はあるだろうか?消費財がコストをかけずに貯蔵出来ない限り、まぁ実際は出来ないんだけど、そうはならないよね。単純にリンゴの価格がナシ(西洋ナシ)の価格より高くも低くもなるように、明日の物価が今日の物価より高くも低くもなりうる。もしみんなが消費せずに過ごすなら、明日の物価は今日の物価よりも十分高くなりうる。つまり、均衡利子率がマイナスになる可能性もあるよね。

2. ec10のクラスを取ってる生徒達は、利子率を貸し付け資金市場の需給と言う観点から見たものと捉え始めてるよね。まさにそういうことなんだ。近年の住宅、株式市場の落ちっぷりもあって、アメリカ人はどんどん貯金するようになってきている。つまり、貸し付け資金市場で供給を高めたって事なんだ。だから、完全雇用を満たす均衡利子率が、デカルト座標系で言う所の第一象限にあると考える必要は無いんだよ。

3. 確実じゃなくなるほど、リスクプレミアムは高まる。ルーカスのアセットプライシングモデル(Lucas asset pricing model)では、高いリスクプレミアムは、高リスク資本の高リターンと言うよりも、低いリスクフリーレート故に起こる。より不確実になるほど、リスクフリーレートはマイナスの領域に押しやられていくんだ。(腑に落ちない様なら、論文の方程式3.9を見てくれ。)

4. 上記の三つのポイントでは、通常の経済学の定理では、負の利子率に関して特に合理的なものは何もないと言う事を述べてきた。でも、本当にそうかな?経験的にそう疑問に感じてしまうよね。最新のデータを考慮した上で私好みに改良したタイラー・ルールを使うと、名目フェデラル・ファンド金利が-1%と言う数字を得るんだ。つまり、期待インフレ率がプラスである限り、更にマイナスの実質利子率ターゲットだってありえると言う事だ。こう言ったインフレ率と失業率の予測を見れば、数ヶ月規模で更にマイナス領域に行くことだって十分ありえるんだよ。

5. もし、完全雇用を達成させようと総需要をいじろうとするなら、負の実質利子率を促すような金利政策の代替策は何だろう?財政政策だ。つまるところ、民間部門は貯蓄したいと言う。だけど、財政政策側は、「駄目だ。もし貯蓄しようとしても、財政赤字を通してそれを切り崩すからね。」と言う。これは、均衡利子率を押し上げるんだ。だけど、利子率をマイナスまで自由に落ちるようにした時と比べ、それで本当に裕福になるんだろうか?もし、国民が貧しくなっていると感じていて、そして将来に備えて貯蓄をしようとしてるのに、なぜ止めようとするんだろう?彼らの貯蓄を非合理的だと捉えない限り、その貯蓄を適正な利子率で投資に回す事が最善だと思える。利用可能な投資の機会を考えた時、利子率がマイナスになることもありえるよね。

You can leave a response, or trackback from your own site.

One Response to “負の利子率に関する論考”

  1. [...] 負の利子率に関する論考 [...]

Leave a Reply