22
4 月
Posted in econ, translation | No Comments »
今日はマンキューのMore on Negative Interest Ratesを訳してみました。この記事は、Observations on Negative Interest rates(日本語訳)の続きです。
さらに負の利子率について
NYタイムズでの私の負の利子率に関する論評(とそれに続くここの記事)(日本語訳)はまだまだ続くよ。みんなが聞きたがってる質問に答えるなら、うん、”ロト6”政策なんて、フザケてる。これに関して言及する目的は、根本的な定理の問題として、みんなに0こそが利子率の底なのかどうかって考えてもらう事なんだ。僕は悪の化身でも何でも無いからね(だから質問に答えさせてもらうよ)。少なくとも僕の知る限りはね。質問どうもありがとう。
連邦準備制度理事会が穏やかなインフレ率を目指すと宣言した件についてだけど、マクロ経済学の重鎮によれば、金本位制を廃止したことは、大恐慌から脱する為に米政府が行った政策の中で最も効果的なものだった。まさに程よいインフレを目指すと言うのは、それを今の時代に合うやり方に変えたものなんだ。
経済学会で僕だけがこの考え方を持ってるわけじゃないよ。何人かの有名な経済学者は、銀行が持っている準備金(総額かもしくは超過分)に対して課金する策について研究している。例えば、ホール&ウッドワード、エドリン&ジャフィー(.pdf)、そして、スコット・サマーだ。その課金は、準備金保有に対する負の利子率とも言える。この案は、現金のリターンに影響するものだけれども、私がタイムズ紙でした様な過剰な反応のようなものは生まないない、と。
だけど、そういうわけで、この案それだけでうまく行くかどうかはちょっとわからない。もし準備金のリターンが減るなら、銀行はお金を貸すだろう(まさにこの案で狙った事だ)。だけど銀行が貸すからと言って本当の意味で成果が出るとは限らない。例えば、銀行は代わりにその準備金に対する費用を、預金手数料などで預金してる人達に押し付けるかもしれないから。すると、預金のリターンがマイナスとなる。つまり、今まで預金していた人達が、預金する代わりに手元に現金で保持しようとする。しかし、こうやってマナタリーベースが過剰準備金から現金保有に移り変わるのなら、マクロ経済的に何の意味もなさない。まぁ、最終的に思い浮かぶのは、家庭用金庫を売ることくらいかな。
Tags: econ, jpes, translation
22
4 月
Posted in econ, translation | 1 Comment »
前回に引き続きまたマンキューの記事を英訳してみました。今回は、「Observations on Negative Interest Rates」。
私の負の利子率に関する記事が普通のメールのボリュームより膨れちゃって、いつくかのポイントはかなり白熱してきたよ。全部に答える事は出来ないけど、色んな視点から考えた、私の気合いの入ったコメントをここに付け加えてみるよ。
1. もし r を実質利子率とするなら、今日の物価に対する明日の相対的な物価は、1/(1+r)となる。経済学でこの相対物価が1より小さくなると言う様な定理はあるだろうか?消費財がコストをかけずに貯蔵出来ない限り、まぁ実際は出来ないんだけど、そうはならないよね。単純にリンゴの価格がナシ(西洋ナシ)の価格より高くも低くもなるように、明日の物価が今日の物価より高くも低くもなりうる。もしみんなが消費せずに過ごすなら、明日の物価は今日の物価よりも十分高くなりうる。つまり、均衡利子率がマイナスになる可能性もあるよね。
2. ec10のクラスを取ってる生徒達は、利子率を貸し付け資金市場の需給と言う観点から見たものと捉え始めてるよね。まさにそういうことなんだ。近年の住宅、株式市場の落ちっぷりもあって、アメリカ人はどんどん貯金するようになってきている。つまり、貸し付け資金市場で供給を高めたって事なんだ。だから、完全雇用を満たす均衡利子率が、デカルト座標系で言う所の第一象限にあると考える必要は無いんだよ。
3. 確実じゃなくなるほど、リスクプレミアムは高まる。ルーカスのアセットプライシングモデル(Lucas asset pricing model)では、高いリスクプレミアムは、高リスク資本の高リターンと言うよりも、低いリスクフリーレート故に起こる。より不確実になるほど、リスクフリーレートはマイナスの領域に押しやられていくんだ。(腑に落ちない様なら、論文の方程式3.9を見てくれ。)
4. 上記の三つのポイントでは、通常の経済学の定理では、負の利子率に関して特に合理的なものは何もないと言う事を述べてきた。でも、本当にそうかな?経験的にそう疑問に感じてしまうよね。最新のデータを考慮した上で私好みに改良したタイラー・ルールを使うと、名目フェデラル・ファンド金利が-1%と言う数字を得るんだ。つまり、期待インフレ率がプラスである限り、更にマイナスの実質利子率ターゲットだってありえると言う事だ。こう言ったインフレ率と失業率の予測を見れば、数ヶ月規模で更にマイナス領域に行くことだって十分ありえるんだよ。
5. もし、完全雇用を達成させようと総需要をいじろうとするなら、負の実質利子率を促すような金利政策の代替策は何だろう?財政政策だ。つまるところ、民間部門は貯蓄したいと言う。だけど、財政政策側は、「駄目だ。もし貯蓄しようとしても、財政赤字を通してそれを切り崩すからね。」と言う。これは、均衡利子率を押し上げるんだ。だけど、利子率をマイナスまで自由に落ちるようにした時と比べ、それで本当に裕福になるんだろうか?もし、国民が貧しくなっていると感じていて、そして将来に備えて貯蓄をしようとしてるのに、なぜ止めようとするんだろう?彼らの貯蓄を非合理的だと捉えない限り、その貯蓄を適正な利子率で投資に回す事が最善だと思える。利用可能な投資の機会を考えた時、利子率がマイナスになることもありえるよね。
Tags: econ, jpes, translation
5
4 月
Posted in econ, translation | 1 Comment »
最近、経済学の本やブログを読んで勉強しているのですが、
今日はグレッグ・マンキューの記事「Hoover did it !!」を訳してみました。
UCLAの経済学者リー・オハニアンが「何が/誰が大恐慌を起こしたのか?」と言う論文を送ってくれたよ。
以下、その結論部分:
大恐慌の典型的な特徴は、平常時よりかなり低い雇用率にもかかわらない、根本的で慢性的な労働力の超過供給と、重要な産業分野での正常値を大きく越えた実質賃金だ。大恐慌を正確に説明するには、なぜ労働市場が正常に戻らなかったのかを説明するだけでなく、なぜ金銭面の要素が恐慌を長引かせる大きな影響を与えたのかをも説明しなければならない。
この論文では、高い賃金を支払う代わりに労働組合から企業を守ることを目的としたフーバー大統領の政策を基に上記の問いを説明する。この時代、union wage premium はどんどんと高くなり、フーバー大統領などの政策によって労働組合が劇的に広がり、また労働者の交渉力も高まると言う経済政策の大変化があったので、企業は労働組合をひどく恐れていた。結果として、労働組合化による高い賃金支払いと低利益を避ける為に、企業は多少高くともまだマシなフーバーの政策に従った。
私の結論は、大恐慌は政府の政策とプログラムによる結果だと言う事だ。これは、フーバー大統領の政策によって、労働者の賃金を競争によって決まる基準を越えるほどまでに高く設定出来るにした事も含む。フーバー大統領の政策が無ければ、大恐慌はあそこまで酷いものにはなってなかった。同様に、フーバーの政策で、金融政策を物価の下落(=実質賃金を高める)を防ぐように取っていたなら、あそこまで酷くはならなかった。この分析は、なぜ低い名目消費(deficient aggregate demandとも呼ばれる)が、デフレで金融収縮していた1920年代初頭とは違い、企業が名目賃金をカットしていた1930年代に大恐慌を引き起こしたのかをも説明する。
フーバー、ルーズベルトの両大統領は、共謀を助長し実質賃金と労働者の交渉力を高める事を目標とした。フーバー大統領は、デフレの時期に名目賃金を維持するように促し、またデービス・ベーコン法や ノ―リス・ラガ―ディア法を含む、労働組合を奨励し、賃金を競争によって決まる基準より大きく越えるほど高くする法律を作る事でこれらの目標を成し遂げた。ルーズベルト大統領は、NIRAとワグナー法によって共謀を助長することで、賃金を競争によって決まる基準より大きく越えさせ目標を達成した。
政府が製品・労働市場での競争を奨励していたら、1930年代はもっと少し良い時代になっていた。しかし、製品市場で独占を助長し、賃金を競争によって決まる基準を超えるほど高くする様な政策を取ったので、労働市場は正常に戻らなかったんだ。
この論文の下書きのリンクは無いんだけど、リーのウェブページはここだよ。
もし、この分析を読んでいてカードチェックのマクロ経済効果のことが頭に浮かんだとしても、それは君だけじゃないよ。
Tags: econ, jpes, translation